TM式短移動無線電信機


解説

 本機器の資料は少なく、以下日本無線史 第十巻から引用する。
 東京無線電機株式会社に於いて設計製作されたもので、周波数3750及至18000Kcである。多数且つ広範囲に実用せられたものであるが、中波通信の要望から、周波数範囲を中波帯即ち最低1750Kcまで拡げるために附加装置が設けられた。


諸元

用途 海軍陸戦隊及び陸上部隊
通信距離
周波数 1750(3750)及至18000Kc 
送信機 出力    A1     出力  150W
       真空管   OSC  UX202
              BUF  Uv814
              PA   Uv812 

電源   軽油発動機附交流及び直流発電機
       真空管   整流  HX−966 × 2
                    HX−968 × 2
  
受信機 オートダイン方式
 高周波増幅2段、再生式検波及び低周波増幅2段
空中線
整備数 元軍令部通信課長の回想の引用であるが、出師準備においては、出師準備計画書に基づき、軍需整備費を充当し整備してきたが、昭和15年はじめころから、TM式短移動電信機については民間生産の全能力(月産35組)の長期継続注文を発したとのことである。
なお、真空管に関して太平洋戦争開始までに3回にわたり約七千万円を準備したとのことである。
備考


来歴
平成13年頃大阪府高槻市のM氏からいただきました。本機は戦後警察の通信系業務再建のため、旧軍無線機の運用試験を実施したものの残存品で個人保管されてものとのことでした。

1.正面部
左が送信機本体及び右側が電源部である。後期の製品のため、かなり簡略化されて製造されている。
ただし、運用面の改善から自励発振機能から送信機左下部に水晶発振子4個の装着ホルダーが新たに設置され水晶発振に変更されている。この改善により、周波数が安定したようだ。

2.送信機正面

3.送信機内部

4.送信機水晶ホルダー部

5.送信機銘板
後期製品はアルミ資材の欠乏により、鉄を使用しているため、錆のため判読が困難になっている。

6.電源部正面

7.電源部の水銀整流管
この機器を頂いたかたから、水銀整流管はヒータを充分に過熱し水銀が完全に蒸発した後に高圧をかけないと爆発すると教えてもらったが、恐ろしくて未だ試したことはない。

8.電源部の内部と水銀整流管

9.電源部正面下部



参考文献
日本無線史 第十巻 電波監理委員会
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
元軍令部通信課長の回想 鮫島 素直

Homeへ

inserted by FC2 system