96式空2号無線電信機


解説
96式空2号無線電信機受信部修復日記
96式空2号無線電信機修復作業U 
定期点検記録 その1 (2016年02月02日)
修復作業記録 その2 (2016年02月21日)  カバーケース作成
修復作業記録 その3 (2016年02月29日)  カバーケース完成

96式空2号無線電信機改「SSB送受信機」
復元方針について(平成22年6月1日)

復元作業報告No01(平成22年7月5日)
復元作業報告No02(平成22年8月9日)
復元作業報告No03(平成22年9月20日)
復元作業報告No04(平成22年10月3日)
復元作業報告No05(平成22年10月17日)
復元作業報告N006(平成22年11月13日)
復元作業記録NO07(平成22年12月30日)
復元作業記録NO08(平成23年01月02日)


解説

 海軍航空用無線機は、89式や94式などの初期開発の機器については、その特性上、長・短波兼用のものが多い。これは、洋上の航空機と艦船、地上基地局間が比較的長距離となるため、電波環境に応じ長波・短波兼用であることが重要な要素であったのであろう。96式以降の機器については、短波専用の機器が制式化されている。そのような中で96式空2號無線機(H2)は、長・短波兼用であった。空2號とは複座式(乗員2名)の無線機を意味しており、専門の通信士が乗務しているので電信を主に少ない送信電力を通信技能と長波・短波を使い分けて通信業務を遂行したものと思われる。
 96式空2號無線機改(N2)は、万能真空管として全てFM2A05Aを使用してものに切り替えた。このFM2A05Aについては、製造に問題があったことは皆様ご承知のことと思う。


諸元

用途 海軍航空機用無線機複座式(乗員2名)
通信距離  
周波数 0.3 〜 0.5MC,5.0 〜 10.0MC 
送信機 出力    A1 40W  A3 10W
       OSC          PA
真空管   UZ−510       UZ−510×2

       電話 抑制格子変調

電源   12V蓄電池及び空2型発電動機
      1000V180mA
      250V 60mA
      
  
受信機 方式 スーパー RF1 IF2 AF1
       RF1  MIX    IF1  IF2・DET  AF
       6D6  6L7G  6D6   6B7    41
            OSC       BFO     AFOSC
             76        76      76
中間周波数  635Kc(実測700Kcなのだが・・・
電源    12V蓄電池
       250V 60mA 
空中線 固定空中線及び垂下式空中線
整備数
備考

参考写真
これがオリジナルの本物である。(我が師匠である茨城県のS氏資料提供のもの)


回路図(96式空2號無線機)

回路図(96式空2號無線機改)


96式空2号無線電信機受信部修復日記

1.はじめに
 昭和59年のころのことであるが、広島市から少し西方に地御前というところがあるが、出張でたまたま同僚とそこを歩いていると家人が大量の電機製品を捨てているのに出くわした。
 なんとなく近寄ってよく見ると、大量のST管と金属管や無線機の残骸、メータ類であった。真空管無線機やラジオを卒業して10年以上たっているし、普通ならそのまま見過ごしてしまうところなのだが、よくよく見ると金属管も無線機の残骸も旧軍関係の無線機に違いないと確信した。といっても、旧軍関係の無線機など今まで見たこともない。
 中学生時代からハムに興味を持ち、以来若き青春を無線に溺れた後、二十歳半ばで無事卒業していた自分の中になにか昔の記憶が蘇った。
 捨てている家人になぜ捨てているのか尋ねたら、家人のおじいさんが某新聞社の関係者でこのようなものを収集していたが、故人となったため、価値がないものと思い廃棄処分しているとの旨であった。それでは、ということで持てるだけ貰ってかえることとしたが、今思えば半部程度で諦めたのが大変残念なことをしたと反省しきりである。
 ただこれだけなら、銘板もなくどんな機種かもわからないし、正面バネル下のプレートには、前席、後席とあるが意味不明で、本当に受信機なのかも疑いたくなるだけでこのままでは修復の意欲もわかなかったかもしれない。
 何分なにから手を付けてよいのか皆目検討がつかなく、まずはクリーニングから開始した。

2.この無線機の型式調査
 当然であるが、銘板があれば、型式、メーカ名、作成年月、製作番号、重量等の表記があるが銘板がない場合が多い。この場合も銘板はなかった。
 蛇足ではあるが、AWCの元メンバーのSさんに聞くと、「現在銘板を特注すると7万円程度かかるよ」とのことである。
 久しぶりに、当時広島で無線の専門店であったダイイチへいってみたら、普通は読まない雑誌のラジオライフ昭和59年9月があったので手にとって本当にたまたまみた。驚いたことに、魅惑の軍用無線機の96式空2號無線機の特集記事が掲載されているのではないか。
 写真の前面から見ると、良く類似しているが、真空管がFM2A05Aが8本と記載されているが、高周波増幅6D6,周波数変換6L7G,局部発振76,中間周波増幅6D6,検波6B7,BFO76,低周波増幅41と制御部76の構成である。著者の矢澤氏に確認するため、発行社経由で連絡すると、矢澤氏から直接電話を頂き、話をしているうちに同じ会社の人であることがわかったが、問合せた機器が96式空2號無線機であるとはわからないとのことであった。
 しかしながら、こちらの調査としては、96式空2號無線機の亜種であると断定することとした。
 ここで、ラジオライフの文中に日本無線史の引用と記述されていることから、この本の文献調査を行った。
 「日本無線史」は、昭和26年に電波監理委員会が発行したもので陸軍編が第9巻、海軍編が第10巻で全13巻の 大作である。
 陸軍編には各型式別に使用真空管が記載されているので、真空管さえ分かれば型式の特定は容易であるが、海軍編の場合には、詳細な記載がないため型式を特定するのは困難であった。
 当無線機には、前面パネルに錨のマークがあることから海軍で使用したものと断定でき、この調査はここで終了とした。
  今なら、インターネットで検索したら、多数の有力な情報がすぐさまヒットする。将に隔絶の感あり。

3.塗装について
 極力塗装については、原型のままにするほうがいいが、今回の場合のように、塗装が殆ど剥離したり変色したり、場合によっては、前の持ち主が別の色を再塗装している場合には、再塗装せざるを得ない。
 塗装にあたっては、当時の色は、日曜大工店で販売されているラッカースプレイ缶の色と同色のものはない。
 したがつて、基本的には塗装業者に依頼することが費用はかかるが一番いい方法と思われる。
 自分で塗装する場合には、事前に同一の色を塗料業者で調合してもらうこと。そのためには、機器の一部を業者にみせて同一の色となるように調合してもらう必要がある。
 また、最低塗装用具が必要となるが、簡易な塗装機器もあるが、本当はコンプレッサがあれば綺麗に仕上がる。
 塗装のために、酸性の強い剥離材で塗装面を綺麗に剥離すること。
 海軍と陸軍の無線機器の最大の相違は、塗装の色である。海軍は、航空機と同様の濃緑色を全面塗装してあるが、陸軍は前面パネルが銀色、筐体が濃い茶色である。

4.電気的修理について
 昔の5球スーパー程度の知識があれば、欠落部品がない場合は意外と簡単に修理することができる。殆どの場合、コンデンサーの短絡、容量抜け、結合用の変圧器の断線が多い。

5.回路図について
 回路図は、通常筐体の上部にセルロイド板に収容されているが、あれば修理に大変役立つ。ただし、殆どなくなっているのが現状であるように思われる。
 また、同一の形式であっても、年次により改修があったりするので回路図があっても、実際の機器と同一の回路図である保証はない。
 部品の欠落及び第三者による改造等が加えられている場合には、回路図がないと復元が困難である。

6.真空管について
 周波数変換6L7G,検波6B7の入手が現在困難になっているが、まだ入手可能である。76のような真空管も高価になってきている。
 特に、陸軍で使用している電池管は入手が非常に困難な状態である。

7.その他
 この無線機を初めて入手したのが、再度この世界に入り込んだ直接の原因でした。
 そういう意味では自分の人生における大きな転換点であったように思う。

正面
バーニアダイヤルが壊れており、内部の減速機構が錆びた状態のままのむき出しである。「矢付ヲ厳守セヨ」と白色のエナメルで達筆に描かれている。正面パネルは安易に再塗装したため、現在は残っていない。今考えると修復しないままこのまま保存すべきであったと反省している。

左側面
中間周波増幅部が見える。下のケースはBFOである。

上部
納屋のようなところで放置されていたようで、サビや泥で汚れている。シールドケースはねじ込み式である。

右側面
高周波増幅部で上部がコイルケースが見える。下部は長波、短波の切替スイッチが見える。

裏面
立体的な部品配置で、故障しても簡単に修理できそうもない。

修復作業
全体をまず清掃、サビの除去をした後、正面パネルの塗装を剥離材をしようして除去した。そうすると下地は、アルミ材の上に銅箔がコーティングされていた。ここまでやるかといった丁寧なつくりに感心した。また、この写真では見えないが、個々の配線の仕上げはまるで工芸品を作るが如き丁寧な作業がなされている。海軍の濃緑色については、プラモデル屋のラッカースプレイでも対応可能であるが、微妙に異なっている。したがって、本物から色調合し、(この当時はこの東急ハンズのサービスがなかった)塗料を作成してもらい、簡易なコンプレッサーで塗装した。この修復が初めての経験だったので、色々な失敗をしている。基本的には修理部品がオリジナルに近い部品を揃えて修理すればベターであるが、昭和59年当時では殆どないないづくしで修理をスタートさせてしまった。その一例が正面のバーニアダイヤルである。戦後のものを利用しているが、実際のものとは程遠い。また、壊れているバーニアダイヤル取り外そうとしたら、どうやっても外れない。しかたないので金きり鋸で強制切断してしまった。
実際は3連バリコンの軸はピンが挿入されているので、そのピンをはずせば、簡単に分解できることが後でわかった。よくよく観察しないとあとで取り返しが付かない羽目となってしまう反省材料だ。
正面

後部
シールドケースも軍用のケースというよりも、ラジオからの転用であることがよくわかる。

上部
航空機は12Vのバッテリィが採用されている関係上、真空管のヒータは6V系のものが採用されているので、2本1組で計8本の真空管が使われている。偶数本が絶対条件となる。このため、この受信機は本来7本の真空管でいいのだが、1本送信部の機能を受信機側に配置し、偶数本としている。シールドケースが見苦しい。 

左側面

右側面

裏面


96式空2号無線電信機修復作業U(平成22年3月30日修復開始)


96式空2号無線電信機の受信部の残骸を2台所有していたが、保存状態がいいものは、96式空2号無線電信機受信部修復作業Tに報告したように復元は受信部のみで完了している。ただし、初期修復のため修復スキルも高くなく、修復用の正規部品も少なく、稚拙な修復となってしまった。
今回は、残りの保存状態の悪い受信部を活用して、送信部を含めた完全復元を目指すこととしたい。とはいっても、筐体もなく、送信部に至ってはなにもない状態である。現在は、部品をバラバラ状態にしているが、分解する前の写真を紹介する。

受信部正面
正面パネル付のものは写真に記録してなく、はなはだ残念であるが、当機は同調用のバーニアダイヤルは既に欠落していた。



受信部上部
高周波増幅(6D6)、混合部(6L7G)、局部発振(76)、第一中間周波増幅部(6D6)、第二中間周波増幅部(6B7の三極部)、検波(6B7)、BFO(76)、低周波増幅(41)、電信用低周波発振部(76)の8本のST管構成である。特徴的なのは、航空機の12V蓄電池を利用するため、2本づつ直列接続し、12.6Vで使用している。
当時の通信型受信機の教科書的な真空管構成をとっている。この構成は陸軍の地2号無線機の受信部と同じ構成であり、同一製造会社の機器仕様が採用されたものであろう。
しかし、96式空2号無線電信機改では、万能真空管であるFM2A05Aに統一されたが、この真空管の製造が難しく、性能、生産性、保守を含めて問題が多かったのではないでしょうか。



受信部右側面
混合部の長波の同調コイルが欠落していることから、今回は短波帯のみの復元とする。



受信部左側面
3連のバリコン、中間周波トランスやBFOトランスが見える。この機器のみ中間周波数700Kc/sを採用している。 



受信部背面部
電源、送信部制御用の端子板が見える。



受信部下部
狭い空間にトランスなどの部品を配置する必要があることから、上部と下部にトランスを配置している。このため、配線は大変困難であり、故障修理などには不向きな構造と論評せざるを得ない。軽量、小型化が最大命題であったのであろう。



受信部右側面の下部の配線状況
高周波増幅、混合部の配線状況である。



受信部左側面の下部の配線状況
中間周波増幅部の配線状況である。



受信部背部の配線状況
検波、低周波増幅部の配線状況である。



空中線線輪の正面
ネットオークションのオマケでいただいた商品である。中身はなにもない。アンテナマッチングの機能部分のようである。



空中線線輪の上部



空中線線輪の銘板
昭和19年12月の沖電気製であるが、このような小型無線機材まで生産要請に対応したのだろうか。



正面
中央が同調バーニアダイヤル(現在なし)、音声か電信の切替、長波、短波の切替、音量調整、AVCのオン/オフ、前席、後席の受話器の端子等である。




右側面



上部



上部の拡大



下部




ラジオライフ(1984年9月号)
96式空2号無線機改の解説が掲載されている。




送信管
川西機械製作所のE−510である。これを3本使用している。



復元方針について(平成22年6月1日)



今回は3式超重無線機乙の復元のため、修復用のSSB部品を購入したため、あまった部品でもう1台分の送信部ができそうだ。
455KHzの搬送波用の水晶振動子(465.5KHz)、八重洲FT101用のVFO、国際電気のMF、各種ダイオードといったものがある。 
VFOの発振周波数変更し、LSB波の7MHz帯のモノバンドのSSBトランシーバとし、送信部は昭和40年代のMT菅の真空管式SSB送信機とする。
受信部については、96式空2号無線電信機の残存部品を最大限活用し、ST菅とし、コイルやバリコン類も極力利用するこことする。このため、中間周波トランスも700KHzを455KHzに変更する。局発はVFO注入により、トランシーブ動作可能とする。
上記コリンズタイプを一段省略した入門タイプの真空管式SSB送受信機(トランシーバ)を基本構想とする。

ブロックダイヤグラム



正面部



上部




さては、どうなることやら乞うご期待とったところでしょうか。


復元作業作業報告No01(平成22年7月5日)

まずは、送信部の骨組みを作成することとした。L型の1.5ミリメートルのアルミ材で骨組みを構成する。少し、本物の強度からみとる弱そうである。アルミ材が無くなったので、購入できるまで作業中断とする。地方はつらい。

1.上部



2.正面





復元作業報告No02(平成22年8月9日)

1.正面
今回は欠落していたケースを完成させた。厚さ1.5ミリもあり、かなりの重量となった。陸軍の航空用無線機は送信機と受信機を分離した装置としているが、海軍の航空機用無線機は送受信機一体型のトランシーバの構成となっている。



2.斜め正面
側面には受信部の空中線端子用の穴がある。塗装も特注した濃緑色のスプレイを使用した。



3.保存部品について(平成22年8月14日追記)

十数年ぶりに部品箱を開陳したが、かなり劣化したものしか残っていないようだ。極力この部品を利用して復元するこことしたい。


3−1 高周波段及び混合部段のコイル
かなり腐食が進んでいる状態である。このまま使用するのはつらいが、コイルを巻きかえるのもつらい。どうしようか。


3−2 中間周波トランス(第一段目)
内部の保存状態は良好だが、コイルの接続部が断線している。


3−3 中間周波トランス(第二段目)



3−4 局部発振部のコイルの内部



3−5 局部発振部のコイルの外部



3−6 低周波トランス
昭和15年の日本無線電信電話株式会社製である。



3−7 低周波変圧器概観
送信時のモールス信号を打鍵するときの低周波信号を発生するトランスで受信部側に配置されている。



3−8 同調の微調用バリコン



3−9 3連のバリコン



3−10 各種スイッチ類




3−11 音量調整用のボリューム




3−12 長波・短波切替用スイッチ




3−13 その他部品類





3−14 その他部品類





復元作業報告No03(平成22年9月20日)

L型のアルミ材が消耗したため、本格的に次工程へ進むことができないが、現在手持ちの部品を装着し、最終配置に矛盾がないか検討している。送信部のVFOを目盛板が予想以上に大きく、隣の陽極電流計の配置が少し右よりとなり、少しバランスが悪くなった。

1.正面

2.上部
送信部の当初計画は部品配置に余裕があったつもりだったが、ぎりぎりになりそうである。真空管の配置も再検討が必要だ。

3.背面

4.正面受信部
正面の受信用の70mmのバーニアダイヤルは、オリジナルは厚みがないものだが、20年かけてさがしたが入手できなかった。少し不満だがあきらめた。

5.正面送信部
送信部のVFOは現代的で旧軍無線機にふさわしくないが、現用の運用を考慮するとしかたない。

6.正面送信部の拡大


復元作業報告No04(平成22年10月3日)

一つ一つの部品をばらし、清掃するこことした。
1.ソケット類
上部からの写真。UZ,UY,Ut型のベーク製の各種ソケットである。

2.ソケット類
下部からの写真であるが、ピンは半田が載りやすい構造である。

3.ソケット類
UZのソケットでも配置の関係で一部ソケットの形状が異なっている。このようなことでは、生産が効率的でできないはずであるが、生産よりも、いかにコンパクトに部品を配置することを優先した結果であろう。

4,BFO
BFOについては、1ケースで全ての機能を配置したブロック構造となっていおり、大変特異である。

5.BFO
正面

6.BFO
コイル部分

7.BFO
ソケット部分

8.BFO
上部

9.外部接続端子
11の端子が送信部、電源に接続される。L+はヒータであるが、海軍航空機の蓄電器(バッテリィ)は、12Vを採用しており、2本一組を直列にして使用しているため、真空管も偶数必要となる。

10.検波及びAVC関係の回路部品

11.BFOの発振実験
BFOに電源と真空管を実装し、発振試験を実施した結果、発振周波数は629.5KHzを示した。この結果中間周波数は文献どおり、635KHzであることが判明した。ずっと中間周波数は700KHzと思っていたが、こちらのほうが間違いだったようだ。


復元作業報告No05(平成22年10月17日)

今回は、高周波増幅及び混合部の同調コイルを修復することとした。

1.上部
ソケットとシールドケースの雄部分を装着した。シールドケースは本来軍用品はねじ込み式のものだが、ケースが欠品のため、民生ラジオのものを転用した。
試験的に3連バリコンのセッティングをしたが、正規位置よりも少し長くなった。

2.下部
ソケットの配置状況

3.コイルケース
コイルをはずし、内部の錆落し及びクリーニングを実施した。

4.短波コイル
コイルは錆だらけであったが、錆落し剤でクリーニングした結果、まだ十分実用になりそうなので、巻き直しはしないこととした。

5.長波コイル
高周波増幅部のコイルのみしかないうえ、ケースからはずすと、1本リード線が切れてしまった。リード線を引き出せないので、このコイルについては、使用することができない。今回は長波の修復をしないので不幸中の幸いといったところかな。

6.コイルの修復
高周波増幅部のコイルはこのまま再度同じ位置で配線し直した。混合部は短波帯については、単同調方式のためバリコンに高圧がかかる仕様となっていたので、今回安全のため複同調方式へ変更するため、コイルを追加した。

7.コイルの下部
かなりアルミが腐食しているのが分かる。

8.コイルケースの蓋の製作
蓋が欠落していたので、新規に製作して最後に螺子止めした。もう二度と見る機会はないかもしれない。


復元作業報告N006(平成22年11月13日)

IFTとBFOの周波数変更の事例を以下に示す。

1.現行IFT635Khzの確認試験
バラックセットにて中間周波数増幅回路を組立して測定する。

2.IFT1の周波周数の変更
実測でインダクタンス1.94mH、容量28.9pFであったことから、理論値674KHzであるが、配線浮遊容量4PF程度を加算すれば、635KHzの同調となる。
中間周波数を455KHzにするためには、33pFのコンデンサーを加えることとした。

3.33pFのコンデンサー付加

4.IFT2の周波周数の変更
C同調なので、、可変コンデンサーを調整する。

5.中間周波数増幅段の総合調整

6.IFT1の本体への装着

7.IFT2の本体への装着

8.BFO回路試験
バラックセットでの仮組立

9.BFO回路試験
バラックセットでの仮組立

10.BFO改造
456.5KHzの水晶発振子を装着するため、内部の部品を全て撤去する。

11.BFO改造
同調コイル改造し、プレートで455KHzに同調させることとした。

12.BFOの撤去部品
残念ながら当面活用できないので保存することとする。

13.BFO発振試験
見事に456.5KHの発振回路が完成した。

14.局部発振回路試験

15.局部発振回路試験

コイル系の改造と調整を完了した。


オークション落札結果記録(96式空2号無線機関連商品)

オークションウォッチ その3
オークションウォッチ その2
オークションウォッチ その1        旧日本軍 九六式空二号無線電信機 / 日本軍


参考文献
日本無線史 第十巻 電波監理委員会
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
ラジオライフ昭和59年9月号

Homeへ

inserted by FC2 system