スター製通信型受信機SR−550の修理(平成25年8月27日)


平成16年(2004)7月にオークションで購入し、シャーシの錆落しなどの整備を行い現在まで保管しておいたものです。当時、正常動作していたかは判然としません。
久しぶりに、開封し動作を確認することとしましたところ、無音状態でしたので、今回本格的に整備するこことしました。
電源を入れた状態で少しエージングしていくと最初にモータボーディング現象もどきが発生し、その現象がおさまると、最後に発信状態となりました。
エージングの段階でチャンネルをカチャカチャ何度も回転させたことでコイルのロータリーSWの接点が活性化したようです。
症状をよく観察するとAM復調だけは正常のようで各放送局を受信できるようになりました。
エージングをかけることにより、電解コンデンサーが充填され、正規の機能を発揮しだしたように思われます。
本来であれば、このような電解コンデンサー類はすべて交換してもよいのですが、オリジナルにこだわるためには故障個所のみの部品交換に限定するのが基本方針です。
問題はSSB受信の場合には、発信状態で受信することができません。
故障個所が限定的なことは大変良かったのですが、本機はSSB受信に専用のプロダクト検波を採用しています。
この方式はUSB,LSBとも対応することができますが、復調はクリチカルのようです。
また、プロダクト検波には通常6BE6が使用されますが、本機には6EA8(変換3−5極管)というレアーな真空管が採用されています。
この真空管はスターのSR−600などにも採用されていますがごくなずかのようです。
故障修理のため、この特殊な真空管の確保が必要となりますが、とになく家中を探すこと1時間なんとか4本の6EA8がありました。
わずかな記憶ですが秋葉原の真空管屋で当時購入していたのでしょう。
準備は完了したので、いざ故障探索となりましたが、もちろん部品の故障も考えられますが、事前に真空管の各電圧を測定し正常値であることは確認しておりました。
異常発信の事例はあまり記憶がなく、とりあえず真空管の交換から開始するとSSBの受信が正常となり、あっけない故障修理の顛末となりました。
あと、周波数校正用の水晶(3.5Mc)が欠落していたので代用品を付加しました。
















スターについては、戦後赤箱のコイル販売で有名ですが、TVキットやアマチュア無線機などのも販売していました。
残念なことにアマチュア無線部門は1969年八重洲無線に吸収されたようです。
詳細については、ANTIQUE JAPANESE RADIO/日本の古いラジオの「ラジオメーカのリストと沿革」を参考にしてください。

http://www.geocities.jp/radiomann/HomePageRadio/Radio_Company.html



オークションウォッチ
オークションウォッチ その1    スター SR600受信機 不動ジャンク品



参考文献

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