超重無線機受信機の復元計画


修復用部品の収集について(期間:平成20年12月7日から平成20年12月31日)
復元作業報告No01(平成20年12月31日)
復元作業報告No02(平成21年2月8日)
復元作業報告No03(平成21年2月17日)
復元作業報告No04(平成21年2月23日)
復元作業報告No05(平成21年3月22日)
復元作業報告No06(平成21年3月29日)
復元作業報告No07(平成21年4月29日から5月30日)
電源部製作報告No01(平成21年6月7日)
電源部製作報告No02(平成21年6月14日)
メカニカルフィルター分解(平成21年6月14日)
電源部製作報告No03(平成21年6月22日)
送信部製作報告No01(平成21年7月5日)
送信部製作報告No02(平成21年8月13日)
3式超重無線機乙改の完成について(平成22年6月20日)



復元についての基本的な考え方(平成20年10月10日開発着手)

受信機110号3型(安立電気)をベースとして、復元計画を策定する。このため、受信用真空管は全て6D6を採用し、11本以上使用することとする。初期仕様がダブルスーパーであったことから、コリンズタイプとするが、実用品として日常運用するため送信部も付加したトランシーブ可能なSSB送受信機とする。なお、送信部終段のみ出力管としは807Aを採用する。
原形機は、ほぼ地1号無線機の受信機と同じ筐体で試作されたようだ。最終形態はメインダイヤルが一つしかないことから、シングルスーパーと思われるが、6D6を11本使用となると回路構成がイメージできない。



たまたま、平成19年10月東京出張中に神田神保町の明倫館書店にて下記のCQ誌に何の因果か再会した。
1967年10月号のCQ誌の田村氏の「SBトランシーバ」内容をベースとして基本設計するこことする。
当時はAMからSSBが主流となり、メーカ製の機器の使用が多数派で、自作派は少数の状況に追い込まれていた。
しかしながら、この時代に購読された人達は、この記事をもとにかなりの人が自作したものと思う。私もその一人であり、作ってみたがVFOの安定度が悪く、実運用で相手から安定度の悪さ加減を指摘され、それ以来電波を出す機会が減った。
そういう意味でも、今回40年後のリベンジをしたい。弁解ではないが、当時はテスターしか買う金がなく、安定度を測定する手段もない状況だった。(平成20年10月23日)


2.復元のための部品収集について
現在主要部品収集中 乞うご期待!!!!
当時は金がなく、部品集めも金次第であったが、現在では金があっても、オークションの出展次第で運がよければ部品集めができる時代です。将にこれが最後の機会かもしれない。
 


修復用部品の収集について(期間:平成20年12月7日から平成20年12月31日)

1 トリオ TS510用外部VFO−5D
 インターネットオークションで広島の骨董業者のかたから購入
 タイヤル機構のみ使用する目的であったが、VFO自体を使用するように計画変更した。

1−1 VFOの確認試験中
ためしに積層乾電池による発振試験を実験したが、安定動作が期待できそうである。

1−2 八重洲FT101用VFO
インターネットオークションで沖縄の個人のかたから購入

1−3VFOの確認試験中
トリオと同様に、積層乾電池による発振試験を実験したが、安定動作が期待できる。
トリオか八重洲のどちらを採用すべきか検討したが、構造的にダイヤルとダイヤル目盛盤が接近していること及び発振周波数が少し高すぎることから、トリオに軍配を上げることとした。

1−4 ダイヤルのメインつまみの目盛版
トリオのTS−520の目盛板を購入したが、少しダイヤル径が小さいため、使用を断念した。

2.水晶片の購入
455,435.5,465.5Kcの水晶の入手も困難な状態であるが、今回は広島県呉市のかたからインターネットオークションで購入できた。現在の近辺の周波数の人工水晶では製造が困難なようだ。

2−1.トリオTS−511系の局部発振用の水晶片とコイルボビンの入手について
同じく沖縄のかたから購入したが、OSC用の水晶は特注するしかないようである。まだ、インターネットで調べてみると東北でハム用の水晶を制作してくれる会社があるようだ。

3.トリオTS−511の送信部の部品
同じく沖縄の方から購入した。これで終段部の部品の確保は充分だ。

3−1.トリオTS−511の同じく終段部の部品

4.国際電気のメカニカルフィルターについて
平成10年くらいの話であるが、ハムフェアで出展されてるものを購入した。売主はOMさんだったが、もう誰も無線機を作らないから記念に買わないかといわれ、千円ぐらいで買った覚えがある。こんなものが役立つとは思いもしなかった。ただし、本当に動作するのか少し心配ではあるが・・・。

5.シャーシーの入手
超重無線機を復元するにあたり、やはり一番重要なのは、シャーシーの入手である。現代の汎用のアルミケースでは復元は困難である。安立電気製であることを考慮すると形態は地1号無線機の受信機とほぼ同形と考えられる。とはいっても、地1号無線機は簡単にはころがっていない。悩んでいたら、私の師匠である茨城県のSさんからあまりがあり、提供していただけることとなった。大変感激しております。

5−1.シャーシー上部構造
戦後改造されており、かなりの穴があいている。

5−2.正面パネル
バネルは戦後米軍の影響もありカーキ色に着色されている。左部は大きな穴があけられている。
かなりの改造をされたようだ。

5−3.裏面

5−4.地1号受信機の概観


復元作業報告No01(平成20年12月31日)

1.超重無線機の正面バネルのモックアップ(平成20年12月31日)
超重無線機の写真から大きくを割り出し、地1号受信機の大きさに割当て基本構造を検討した。
問題は、線輪を地1号から流用したいのだが、地1号の線輪のほうが約30mm長いため、完全にコピー製品を作ることができない。正面パネルの流用は残念ながら困難のようだ。



復元作業報告No02(平成21年2月8日)

1.基本的な設計開始
  ブロックダイヤグラム
  使用周波帯は7Mcのシングルバンドとした。シャーシの制約から一部送信部については、現代版のMT管を採用した。

2.正面部の概観
  送信機能を付与したため、電流計は必須条件となるが、隠れるような配置とした。ほぼ、原本と同等な配置となっている。

3.上部配置図
  送信部のMT管については、シールドすることにより、外部からみることができなくなっているが、送信管のUY−807Aも逆にみえないこととなった。

4.銘板について
 地1号の銘板から複製を行うこととした。

5,正面
  作成途中ですが、電流計の配置で作業中断
 常時運用するのであれば、電流計を隠すと運用しずらい。 悩むところである。

6.上部
  作成途中ですが、前部のST管の穴をあと3つあける必要がある。アルミ3ミリの穴あけは大変重労働である。


復元作業報告No03(平成21年2月17日)

1.正面写真
概観のみ作成完了。


2.上部の写真
送信部とVFOの間の真空管のソケットを装着するには、手がはいらなく、またまた全部ばらさないといけない。
組立順序をよくよく考慮する必要がある。

3.斜め正面
 運用面から電流計を左部に配置することとした。すこし、現代ぽくなってしまったようだ。
 まずまずのできのようだ。ただし、まだ完成までには先が永そうだ。


復元作業報告No04(平成21年2月23日)

1.上部
受信部を中心にST管用のタイト製のソケットとシールドケースを装着した。
送信部には、UY−807Aを装着しているところである。

2.下部
ST管用のタイト製のソケットと小型IFT,出力トランスを装着したところである。
線輪部は、オリジナルのコイル群を撤去した。将に張子の虎だ!

3.背面

4.正面上部
地1号のケースを装着した正装姿。

5.斜め正面

今後の予定
受信部から着手することとするが、コイルの自作、MFの装着をする必要がある。
基本的な回路図の設計に着手するこことする。


復元作業報告No05(平成21年3月22日)

1.メカニカルフィルターについて
国際のメカニカルフィルターの仕様について、このホームページを参照してください。
実は昔私が購入したメカニカルフィルターは広帯域のものでSSBには向かいないものと判明しました。
困っていると、茨城のSさんからコリンズのメカフィルをいただきました。感激です。これで、また製作を前進することができます。
また、昔ではメカフィルの中身を見るなど、想像だにしておりませんでしたが、経年劣化のため修理の記述があるホームページがあったので参考にした。
ただし、コリンズにかぎり内部清掃など不要と確信している。

2.コリンズのメカフィル

3.ダストコア入りボビン
昔自作無線機ではおなじみの部品ですが、もうどこにもありません。もったいないので今回も使用しません。

4.トリオのコイル
これも、自作用の受信機用の市販のコイルです。今回は、このコイルを使用することとした。

5.デップメータ
これも、おなじみの測定器ですが、コイルの調整には必須のアイテムです。

6.LCRディジタルメータ
数μHの測定では、測定誤差のため測定不能だった。昔のブリッジのほうが使いがってが良いようだ。ブリッジは倉庫にしまっており、取り出し不可能の状態である。
 

7.コイルの調整
今回はモノバンドのコイル群を作ればよく、簡単である。デップメータでおおよその周波数を把握すればいい。ダストコアの調整で1.5Mc程度可変にできる。

8.上部
ど真ん中にコリンズのメカニカルフィルターを装着しているところ。

9.OSC用の水晶発振子の発注について
いまでは、特注用のメーカも数少なくなったようです。今回はアルト電子製作所へ発注しました。納品は約1ヶ月後とのことである。

10.抵抗器、コンデンサーについて
今回は実運用を主眼とするため広島の松本無線のジャンクセンターとデオデオ(ダイイチ)にて新品の一般部品を購入しました。コンデンサー類は耐圧500Vのものは数少なくなり、もう少ししたら完全に商品供給はストップするものと思われる。

あとは、配線にとりかかる予定である。


復元作業報告No06(平成21年3月29日)

1.最終組立の上部
  全ての部品を装着した。

2.下部
  受信部のみであるが、配線前の全ての部品を装着したところ。

3.コイル部分
コイルの装着は、シールド板と兼用となった。

4.受信部配線図
基本の回路図は、1967年10月号のCQ誌の田村氏の「SBトランシーバ」をベースとして作成したが、最終的な回路定数については、カットアンドトライということで後で決定することになるでしょうか。トランシーバのための制御が必要な分回路が複雑化してしまった。やはり無理やりUZ−6D6のみの受信機では性能は期待できないような弱気な気分である。とにかく受信機だけでも早く完成させたい。


復元作業報告No07(平成21年4月29日から5月30日)


5月の大型連休中に受信部の完成を甘く目論でいたが、いざ全ての配線を行い、基本的な回路チェックを実施したら、大きな問題点は2つあった。
ひとつはメカニカルフィルターの動作不良があり、部品交換する必要があることが判明した。
もうひとつは、第一局部発振部の水晶発振が動作しないこと。
今回発注したアルト電子製のものは、昔の水晶鉱石のものと異なり、人工水晶のものとなっており、また13MHz台の発振なら昔は3オーバートーンと相場がきまっていたが、近年ものは25MHzまでは基本波で加工されているようだ。
UZ−6D6の陽極同調発振の基本回路で発振動作せず、急遽変形ピアース回路に変更したが、残念ながら、一向に発振動作をする様子がみられない。水晶発振子の問題なのかST管の選定・構造的(トップグリッド)な問題なのか解明することができなかった。
問題を先送りすることになるが、まずはmT管に変更して水晶発振子による第一局部発振部の動作を可能とした。メーカのアルトさんへ注文した水晶までも疑ったが、所詮は自分の能力不足といったところのようだ。また、いろいろ過去の技術文献をみていたら、発振条件は陽極同調を発振周波数の少し上に調整することの記述があったが、まさにその条件どおりだったのは当たり前のことだが感心した。いつかUY−76で再挑戦することとしたい。

もうひとつの問題であるメカニカルフィルターについては、当初Sさんからいただいたコリンズ製のメカニカルフィルターを実装したが、455KHz近辺を含め周波数を遮断しておりNGであった。急遽インターネットオークションで購入した国際電気のメカニカルフィルターMF−455−10CKに換装したが、これもなぜかNGだった。最後に最も性能的には期待していなかった国際電気のメカニカルフィルターMF455−10AZ27に変更したら一応の動作することが確認できた。
やはり、基本動作として部品の動作チェックした後OKとなった部品のみ搭載することが手戻り防止となる。
メカニカルフィルターについては、昔ならタブーのような話だが、中身を開けて修理に挑戦することとしたい。

ここまでくると統一のUZ−6D6のみでコリンズタイプの通信型受信機を早期に完成するのは困難なことが判明したため、まずはとりあえず、使用真空管にはこだわらず完全に動作するコリンズタイプの受信機をつくることに方針変更することとした。作った後で、全面6D6化に再度挑戦することとした。

まだまだ、困難は続き、各段の利得不足がはなはだしく正常に動作確認できないことから、高周波増幅部、第一混合部、第二混合部とも6D6からmT管に交換するこことした。それでも、中間周波出力の455KHzの利得が少なく、メカニカルフィルター部で信号が全て減衰する事態となったため、とりあえず減衰対策のため通常のIFTで現在バイパスすることとした。これでも、中間周波の信号レベルが低いため、6D6の増幅ではうまくいかず、ここでも、とりあえずmT管の6BA6に交換してやっと増幅利得をかせぐことができた。
また、これでも全体の利得が不足しており、低周波増幅段も6D6では非力のため、6ZP1へ変更し正規電力増幅管により低周波での利得をかせぐことした。
ここまできて、やっと、蚊の鳴くような7MHzのモールス信号を受信できるようになった。5球スーパーにもはるかに劣る大変情けない事態であるががここまでくれば、配線ミスもなくなり、最終チューニングへ進むことができそうだ。
結局、ここまでオール6D6で配線を行い、更に今度はmT管に交換し直しの二重手間を行ってしまった。
とりあえず、前に進もう!!!(5月24日)

最後のチャレンジとして、各段のコイルを再度取り出し、デップメータでチューニングを実施しなおしたが、依然低周波段の利得不足を痛感し、6BM8に変更することとしたが、あると思った該当真空管が手元になく、急遽、広島の松本無線ジャンクセンターで日本製6BM8をなんと3000円で購入した。早速6ZP1から6BM8に交換し、やっとのことで当初目標の受信性能を確保することができた。やれやれ長かった!!!!
なお、メカニカルフィルターについては未対処となったのが、残念である。(5月30日)

感電について
昔若かりし頃(高校生時代)直流でも高圧に感電したら、体の心まで衝撃を受け2〜3日半田ごてを持つきもしなかった。今回もご他聞にもれずちょこちょこ感電したが、どうも、若年のときのような敏感さはなくなっており、老体となると感電してもなんともない。年をとると体自体が高抵抗化するのかもしれない。

1.IFT検波段のコイル改造部分

2.各種メカニカルフィルター
まだまだ、インターネットオークションで出品されているが機能低下なものが多そうだ。

3.第一局部発信回路の改造部分
ST管からmT菅へ真空管を変更した。

4.第一局部の発振状況
オシロでの測定状況

5.受信部の配線状況
当初の状況

6,受信部の配線状況
メカニカルフィルターをIFTでパイパスしている。

7.受信部の配線状況
メカニカルフィルターを撤去し、IFTで仮配線したところ。

8.背面
ST管のシールドケースはそのままにしているが、ほとんどの中身はmT菅に変更してしまった。

9.正面
VFOの上に9Vの積層乾電池を暫定利用している。後ろは地1号受信機の電源部から電力供給しているところ。

課題
メカニカルフィルターを修復しない限り、送信部へ進めない。また、電源部を正式に製作する必要がある。まだまだ、多難のようだ。ここまでくると早く電波を出したい!!!


電源部製作報告No01(平成21年6月7日)

来歴
Yahooオークションで、平成18年11月に真空管や古いラジオなど多数出品をされている熊本の骨董業者のかたからの落札品である。ただし、出品のタイトル「ラジオの部品、ジヤンク」でもわかるように、銘版もなく、前面パネル、天蓋、底板もない。また、肝心な電源トランスもない。これでは、この部品が地1号受信機の電源部とは気づかない。ということで、地1号の復元用のストックとして安価に購入することができた。
今回はこの部品を超重無線機の電源部として転用するこことした。
--------------------------------------------------------------------------------
ラジオの部品、ジヤンク
出品者の情報
出品者(評価): k_u#######0 (575)
商品の情報
現在の価格: 2,150 円
残り時間: 終了 (詳細な残り時間)
落札者: m######## (100)
数量: 1
入札件数: 3 (入札履歴)
開始価格: 1,000 円
入札単位: 100 円
出品地域: 熊本県
開始日時: 2008(H18)年11月 1日 18時 27分
終了日時: 2008(H18)年11月 4日 21時 27分
オークションID: 95425647
出品者コメント
部品の残骸ですけど、使用される方、宜しくお願いします、蔵の奥からでました、ジヤんク、ノークレームでお願いします、横にもつ、取っ手がついてます。宜しくお願いします、

1.入手状態(下部)

2.入手状態(上部)
電源トランスはありませんが、その他の部品は残存している。


3.上部
部品を撤去し、清掃のみ実施したが、ケースの保存状態はいいようだ。

4.裏面
入手の状態であるが、塗装の状態は大変よい。

5.天蓋と前面パネルの偽造開始。

6.裏面
剥離剤で塗装をとりさった状態。黒色塗料は下地用に塗ったものらしい。剥離剤でも落ちない。

7,再塗装開始

8.再塗装の状況
本体と天蓋及び底板の塗装状況


電源部製作報告No02(平成21年6月14日)

電源部のケース作りが完了した。

1.前面バネルの穴あけ
銘板を作成し、各部の位置あわせを行っている。

2.下地用の塗料を塗っているところ。
自動車用の密着バインダーを使用している。

3.銀色の塗料を塗っているところ。
陸軍色の特注スプレイを使用している。

4.電源部正面
偽造銘板は地1号とした。基本的には、兼用で利用することを想定している。


メカニカルフィルター分解(平成21年6月14日)

メカニカルフィルターの減衰がきになったので、中身を確認するため分解してみることとした。

1.上部

2.下部

3.内部構造
目視で確認するかぎり、フィルター保護用のスポンジに問題はないさそうである。このフィルターはあまり長時間運用されていなかったようだ。すぐ、元に戻した。

今後の課題
基本的には、メカニカルフィルターには問題がないが、受信機に使用すると減衰が激しく使用困難であるが、送信専用で利用するのであれば、充分利用できそうである。送受兼用の昔の発想から脱却する必要がありそうだ。


電源部製作報告No03(平成21年6月22日)

電源部の製作が完了した。送信部の400Vの電源及び送受制御用の−60Vの電源等も合わせて整備したので、後は送信部を製作すれば待望のSSBトランシーバが完成する運びである。

1.電源部上部
電源トランスは、送信部を含め少し大きめのトランスとした。電解コンデンサーの高耐圧のものが少なくなり、耐圧450Vのものを用意したが、本来はもう少し高めのものが欲しいところである。

2.下部
送信部のST菅用のソケットをmT菅用に交換した。後は送信部のコイルの製作に入ることとする。 

3.上部
電源部との接続コネクターを6Pのものとし、スピーカも電源部に用意していたが、7P必要のことが後で判明したため、急遽スピーカを電源部から本体機へ移すこととした。このため、大変不細工な配置となった。

4.裏面
スピーカの配置が気になる。

5.フルセット正面
なかなか壮観な姿に見える。現在受信部の運用試験をしているが、時々モーターボーティングが発生したり、AGC制御に問題がありそうだ。

6.フルセット斜め正面

7.フルセット裏面
本体にはケースが必要だ。


送信部製作報告No01(平成21年7月5日)

送信部製作のため、送信用の部品を装備した。送信用のメカニカルフィルター、送受信制御用のリレー、各部コイル及び終段部のタンクコイル等である。

1.最終正面
線輪が汚かったので、再度取り外し再塗装及び周波数の更正表を新品ととりかえた。目盛板も赤の絹糸でラインをいれた。

2.上部
送信部のタンクコイルを装着したところ。後で追コイルを装着しようとすると大変だった。受信用のスピーカは送信部の下部に再配置した。送信管は常用利用を考慮し、6146に変更した。

3.終段部の拡大写真

4.下部
左の送信部の部品を装着したところ。送信管のとなりがスピーカとなってしまった。

5.下部送信部の拡大写真

後は配線すれば、トランシーバは完成する。


送信部製作報告No02(平成21年8月13日)

 やっと重たい腰を上げて送信部の配線に取り掛かった。終戦記念日までにはなんとか完了したかったが、結果としては配線までとなった。実は送信部は参考程度のつもりだったので、受信部には充分な部品配置を検討したが、送信部の配置までは配慮しなかったため、送信部の配線の段階でとても困難であることが判明した。
配線自体は2日間で完了したが、写真のように空中配線となり、挙句の果てにソケットすら見えなくなった。今後の調整は多難のようだ。

1.正面

2.上部
スピーカはシャーシ内部では音がこもるため、上部へ再配置した。

3.背面上部

4.送信段
終段は6146とした。

5.裏面
全ての配線は終了した。後は調整のみとなった。

6.裏面の送信部

7.送信部変調部
上からではソケットを確認できない。配線ミスしていると致命傷となる。

8.送信部周波数変換及びバッファ増幅段

9.終段部

10.終段の真空管6146
電々公社の放出品を購入した。

11.アンテナキット
ここまで自作は困難なので、アンテナキットを広島のデオデオで購入した。

今後の予定
受信部の製作が完了していることから、送信部の製作は非常に簡単と思われるが油断は禁物である。たとえば、第一局部発振を送信部へも配線延長しただけで、当然インダクタンスが変わったため、水晶発振が停止してしまった。まだまだ、困難は想定されるが最終章へ進むこととしたい。
ただし、送信部が完成したらアマチュア無線設備の変更申請が必要となるが、ハムに関しては浦島太郎状態となっているが、昔のように電波管理局から落成検査やJARLの認定制度もなくなったようだ。
送信部が完成した段階でTSS保証事業部なる法人(?)へ認定を受けることとしたい。
当面このセクションにて、送信部の寄稿を終結とする。


3式超重無線機乙改の完成について(平成22年6月20日)


平成20年10月に復元に着手し、約1年半でやっとを完成することこができたが、まだまだ満足すべき作品にはなっていないが、次の作業もしたいのでここらで終了の宣言とする。
また、当初目標の3式超重無線機乙の復元から大きく外れ、昭和40年代中頃のMT菅全盛期の真空管式SSBトランシーバとなってしまった。
作ってしまった、今、反省するに真空管6D6のみによるコリンズタイプの通信型受信機をもう一度トライするのであれば、実現は可能と思われるが、最初の水晶式13MHzの局部発振を6D6で実現できないことが発端で、混合部、中間周波増幅部、あげくのはては利得不足を理由として低周波増幅部まで現代菅で安易に置き換えてしまった。
再度、リベンジする気力も消えうせた。欲張って、送信部を追加したのが問題だった。
今なら、真空管式SSBトランシーバの作成のための部品調達は、インターネット・オークションで昭和40年代の455KHzの水晶やメカニカルフィルターが出展されており、なんとか入手できるが、何時まで可能なのだろうか。それても、これが私自身では最後の機会であるかもしれないと思うと、ますますネットオークションにはまっていくようで、これもこの世界の性なのかもしれない。
ただし、メカニカルフィルターなどは入手できてもかなりの劣化があることを想定する必要があるし、新古品として購入したリレーも4接点中1接点が接点不良で原因究明に時間がかかった。
測定器についても、今では高級なものがいくらでも用意できるが、測定誤差を考慮しないと何を測定しているのか分からなくなり、逆に原因究明を混乱に落とすことにもなりかねない。
やっと完成し、電波をだそうとしたら話す相手がいないことに気づいた。40年前のローカルラグチューしていた高校の友は、今は誰もいない。話したくても、同じレベルの内容を語る友はもういない。この世界からみんな卒業して「還暦まじかのいい親爺」をやっているのだろう。
そうこうしていたら、ネットオークションで無意識状態のまま八重洲のFR−50,FL−50のセットを落札してしまった。また女房に叱られそうで、言い出すのが怖い。
でも、今度は、96式空2号無線機のSSB化に挑戦だ!

1.正面



2.左斜め



3.上左斜め



4.右左斜め





参考文献
日本無線史 第九巻 電波監理委員会
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
JACAR(アジア歴史資料センター 超重無線機審査原簿
CQ誌(1967年10月号)

Homeへ

inserted by FC2 system